学習指導要領って何?

学習指導要領

こんにちは、教員採用試験を鹿児島で目指すことにしたヤマシロです

令和5年度鹿児島県の採用試験に2次で落ちました

悲しいとか悔しいとかじゃなく何か自分に腹が立ったので

これから学んだことを発信していきます

学習指導要領って何?

タイトルにもありますが、学習指導要領について面接で聞かれました

「学習指導要領にある中学社会(私の受験校種と教科)での目標は何ですか?」

知識理解、思考力、表現力・・・ぐらいは答えた気がします

何となくしか目を通していなかったことがバレますね

学習指導要領とは

全国のどの地域で教育を受けても、一定の水準の教育を受けられるようにするため、文部科学省では、学校教育法等に基づき、各学校で教育課程(カリキュラム)を編成する際の基準を定めています。これを「学習指導要領」といいます。

文科省HP

また

中央教育審議会答申では

「社会に開かれた教育課程」の実現を目指すための、学校、家庭、地域の関係者が共有・活用できる「学びの地図」

平たく言うと

社会科(各教科)はこう教えなさいと言う指図書(指示書)

これを書けとか、これを言えとか詳しい授業内容ではなく

もっとざっくりとしたこういったところを意識して教えましょうという指示書

例えば、ナウマンゾウや縄文土器という語句を教えましょうと学習指導要領に載っているのではなく

“「日本列島における国家形成」については,狩猟・採集を行っていた人々の生活が農耕の広まりとともに変化していったことに気付かせるようにすること。また,考古学などの成果を活用するとともに,古事記,日本書紀,風土記などにまとめられた神話・伝承などの学習を通して,当時の人々の信仰やものの見方などに気付かせるよう留意すること。”

「全体をとらえさせたり出来事に疑問を持たせたり、変化や見方などのポイントに気づかせるよう指導しなさいよ」というのが学習指導要領です

ですが、指導の要領が示されているなかで基本とされているのがポイントでもある「3つの柱」です

3つの柱とは

学習指導要領を作成するにあたって基本的な考え方になる、生徒に「主体的・対話的で深い学び」で学習させるポイントの3つです

  • 基礎的・基本的な「知識及び技能」の確実な習得
  • 「社会的な見方・考え方」を働かせた「思考力・判断力・表現力等」の育成
  • 主権者として、持続可能な社会づくりに向かう社会参画意識の涵養や、よりよい社会の実現を視野に課題を主体的に解決しようとする態度の育成

この3つが「3つの柱」で基本となるものです

簡単に言うと、通知表の観点項目になるのですが

1は知識技能という事で、語句を覚えているか?地図帳は使えるか?とかです

テストのときは一問一答問題です

2はなぜそうなったのか説明できるか?とか、どう思う?という事を表現できるということです。

テストのときは、多少考えさせて答えを書かせる記述解答などになります

3は態度ですね

でも、前向きな態度ですよね・・・

テストでは扱えませんが、昔で言うところの、成績(通知表に出てくる)授業態度でしょうか

ですが、今回の学習指導要領においては、積極的な参加を行う、主体的な態度を育成できるように授業を展開していきましょうとしています

なので、単純な授業態度ではありません

マジメに黙って聞いているからいいのではなく、課題の把握から解決、表現までが求められています

「なぜ?」から「そうだったのか」・「そうだと思う」から発表などの表現まで主体的に学びに向かえる生徒になるように授業を作れという事です

「3つの柱」の補足

1「基礎的・基本的な知識及び技能の習得」の補足

「理解していること・できることをどう使うか」を意識した指導をしなさいとある

これは、教育基本法第5条2項の「社会において自立的に生きる基礎を養う」と規定している義務教育の目標に照らし合わせている

知識や技能が、子どもたちにとって生きて働く、役に立つモノとして確実な習得を図りましょうという事

もう一つが、学年間で反復して学習させましょうということ

これは、極端ですが、例えば、1年だけでなく

1年2年3年ともに地図帳を使いましょうということ(極端ですが)

2「社会的な見方・考え方を働かせた、思考力、判断力、表現力の育成」の補足

社会的事象を考察(世の中の出来事を知り考える)

知識・技能の習得(語句を知る、調べ方を学ぶ)

社会課題の把握(どういった歴史や事情で事が起こっているのか)

解決に向けて構想(どうやったら理解し合えるだろうか?解決できるだろうか?)

よりよい社会の実現のために主体的に解決する(よし!私が動こう)

「学びに向かう力・人間性の涵養」につながるだろう

要するに率先力を持てるような人材を育てるために、考えさせ、判断させ、表現させることが大切だと言っている

「7つの習慣」という書籍で言っている率先力にはまず大基本である「信念(目標)」を明確に理解し意識する必要があると言っている

夢や希望や自己実現・目標が根底に無いと「学びに向かう力や人間性」を成長させることは難しいと私は考えるが・・・

学習指導要領は授業を順序だてて行う事で、人間性が成長し率先力が生まれると言っているようだ

3の補足

中学校社会科の究極の目標

「公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養う事」

これが究極の目標です

これは、教育基本法(第5条の2項)や学校教育法(第21条1項)にあります

公的な義務教育の究極の目標=公民を育成する・・・

らしさが溢れ出していますね

その他、伝統や文化、宗教の充実が大切とも言っており、選挙権年齢の引き下げもあり、政治への興味関心も高める必要がある

これら3つの柱を実現するために「主体的・対話的で深い学び」が大切ですと

中央教育審議会答申で示された

主体的・対話的で深い学びの実現とは・・・

主体的学びの視点

学ぶことに興味や関心を持ち、自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら、見通しを持って粘り強く取り組み、自己の学習活動を振り返って次につなげる「主体的な学び」が実現できているか。

子供自身が興味を持って積極的に取り組むとともに、学習活動を自ら振り返り意味付けたり、身に付いた資質・能力を自覚したり、共有したりすることが重要である。

中央教育審議会答申(平成 28 年 12 月)より

ここがポイント ~「主体的な学び」の実現に向けて~

○見通しをもって粘り強く学習に向かうことができるようにする。

○学習の後に、それまでの学びを振り返って、次の学習につなげることができるようにする。

簡単に言うと

興味を持って、見通しを持って、忍耐強く、振り返りもして、自分の能力を育て、他者と協力し、自己実現できる力を養う事

簡単に言うけど簡単ではないな・・・

対話的学びの視点

子供同士の協働、教職員や地域の人との対話、先哲の考え方を手掛かりに考えること等を通じ、自己の考えを広げ深める「対話的な学び」が実現できているか。

身に付けた知識や技能を定着させるとともに、物事の多面的で深い理解に至るためには、多様な表現を通じて、教職員と子供や、子供同士が対話し、それによって思考を広げ深めていくことが求められる。

中央教育審議会答申(平成 28 年 12 月)より

ここがポイント ~「対話的な学び」の実現に向けて~

○対話の相手は子どもだけでなく、教職員、地域の人、先哲など幅広いものである。

○自分と他者の意見や考え方を比較したり、自分だけでは気付くことが難しい気付きを得たりしながら、考えを広げたり深めたりできるようにする。

簡単に言うと

全世代・実社会との対話を大切にし、歴史上の人物の考えも大切にし、対話力を高めてICTも活用して思考を深めるよう指導しましょうということ

深い学びの視点

習得・活用・探究という学びの過程の中で、各教科等の特質に応じた「見方・考え方」を働かせながら、知識を相互に関連付けてより深く理解したり、情報を精査して考えを形成したり、問題を見いだして解決策を考えたり、思いや考えを基に創造したりすることに向かう「深い学び」が実現できているか。

子供たちが、各教科等の学びの過程の中で、身に付けた資質・能力の三つの柱を活用・発揮しながら物事を捉え思考することを通じて、資質・能力がさらに伸ばされたり、新たな資質・能力が育まれたりしていくことが重要である。教員はこの中で、教える場面と、子供たちに思考・判断・表現させる場面を効果的に設計し関連させながら指導していくことが求められる。

中央教育審議会答申(平成 28 年 12 月)より

ここがポイント ~「深い学び」の実現に向けて~

○各教科等の特質に応じた「見方・考え方」*を働かせるようにする。

○教師が教える場面と子どもたちに思考・判断・表現させる場面を、効果的に設計し関連させながら指導していく。

中社における見方・考え方とは

課題を追及したり解決したりする活動において、社会的事象等の意味(言葉が示す物事や内容)や意義(物事が他との関連において固有に持つ価値や重要性)、特色や相互の関連を考察したり、社会にみられる課題を把握して、その解決に向けて構想したりする際の視点や方法。

 「社会的事象を、時期、推移などに着目してとらえ、類似や差異などを明確にし、事象同士を因果関係などで関連付けること」

簡単に言うと

いろんな角度から出来事を見ることができる、考えることができるように指導しなさいということ

プラス

まとめることができるように、発表(表現)できるようになるように指導しなさいという事

学習指導要領の目標

グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の形成者に必要な公民としての資質・能力の基礎を次のとおり育成することを目指す

  •  我が国の国土と歴史,現代の政治,経済,国際関係等に関して理解するとともに,調査や諸資料から様々な情報を効果的に調べまとめる技能を身に付けるようにする。
  •  社会的事象の意味や意義,特色や相互の関連を多面的・多角的に考察したり,社会に見られる課題の解決に向けて選択・判断したりする力,思考・判断したことを説明したり,それらを基に議論したりする力を養う
  •  社会的事象について,よりよい社会の実現を視野に課題を主体的に解決しようとする態度を養うとともに,多面的・多角的な考察や深い理解を通して涵養される我が国の国土や歴史に対する愛情,国民主権を担う公民として,自国を愛し,その平和と繁栄を図ることや,他国や他国の文化を尊重することの大切さについての自覚などを深める。

まとめると

自国の歴史を学び、時刻の今を知り、自国を愛し、他国を尊重し、世の中の出来事に対して本質をとらえるよう、多角的・多面的にとらえ考え、様々な情報を調べまとめ、議論や説明ができるようなスキルをもち、それらは主体的に行動(課題の設定から解決まで)できるような公民を育てましょうということ

まとめ

学習指導要領は、学習させるにあたっての要点を設定してくれています。授業する際の「教師たちよ、ここは押さえとけよ」といった指図書(指示書)です。

キーワードとして

  • 学びの地図
  • 3つの柱
    1. 基礎的・基本的な「知識及び技能」の確実な習得
    2. 「社会的な見方・考え方」を働かせた「思考力・判断力・表現力等」の育成
    3. 主権者として、持続可能な社会づくりに向かう社会参画意識の涵養や、よりよい社会の実現を視野に課題を主体的に解決しようとする態度の育成
  • 「公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養う事」
  • 教育基本法(第5条の2項)や学校教育法(第21条1項)
  • 主体的・対話的で深い学び
  • 見方・考え方

まだ復習(復讐)は始まったばかりです

ともに採用試験を目指している方

頑張っていきましょう

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