こんにちは
てぃーちゃーMです
今回は部活動・クラブは公立学校には必要ないという事を
文部科学省が作成した「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」にツッコむ形で説明します
そもそも
「仕事がしたいのに部活動を見なければならない・・・」
「自分の専門分野でもないのに休日がクラブで使われる・・・」
「やりたい人が顧問をやればいいじゃないか・・・」
部活動・クラブ活動での不満はたくさん聞きます
ですが、公立中学校ではほとんどの教師が顧問や副顧問として担当しています
それってどうなの?という事ですが
結論から言うと
あなたが雇われている本来の役割は教科だから部活動は本業じゃないということです
「やりたくない人はやらないで、クラブを見たい人だけみたらいいじゃないか」と反論もあるでしょう
そもそも間違えています
もう一度言います、「教師は教科で雇われています!」です
例えば、あなたが会社を経営しているとして、営業で雇った社員が、ある会社の社長が呼んでいるからと連日昼間からバーベキューしていたらどうでしょうか?
「他のお客さんへのフォローは大丈夫か?」
「新規開拓はやっているのか?」
「毎日何しに行ってるの?」といった不信感や心配をしますよね
営業の仕事は、お客さんから注文を受けることです。もちろんバーベキューを連日やっている社長もお客さんです。ですが、たった一人のお客さんのためにあなたを雇ったわけではない!と思いませんか?
「他のお客さんへも、新規開拓へも、できるだけ多く注文をもらえるように働きかけろ!」と言いたくなりますよね
ですが、クラブを大切にしている公立教師は連日バーベキュー気分です
公立学校の教師は本来、自分が専門とする教科の授業において顧客満足度を高めるように努めなければなりません
部活動で満足度を高めるというのはそもそも本旨から外れています
ですが、部活動は教育活動の一環に位置付けられています
そんな部活動のガイドライン(運動系)に関して詰めていきます
文部科学省の「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」より引用
前文から
学校の運動部活動は、スポーツ同好の生徒が参加し、各運動部の顧問の指導の下、学校教育の一環として行われ、 我が国のスポーツ振興を大きく支えてきた。
また、体力や技能の向上を図る目的以外にも、異年齢との交流の中で、生徒同士や生徒と教師等との好ましい人間関係の構築、学習意欲の向上や自己肯定感、責任感、連帯感など、生徒の多様な学びの場として、教育的意義が大きい。
とある
オリンピック選手に水泳の北島康介という選手がいるが彼はスイミングスクール「東京スイミングセンター」というところに所属していた
大谷翔平という大リーガーがいるが、彼もリトルリーグ、シニアリーグ
イチローは中学校も高校も公立だが、彼の場合、中学校に野球部が無かったとしたら、学校外の野球ができる環境に所属していただろう。なぜなら、幼少期から父親と野球に取り組んでいたからだ
体力や技能の向上を図る目的はもちろんあるが、別に部活動でなくたっていい
異年齢との交流の中で、生徒同士の好ましい交流
とあるが
実際、学校外でも、学校内でも多学年とはあまり関わらないようにと指導している現状がある
部活動においても教師がその場にいるときは、先輩後輩の関係などは良好に見えるが、指導が行き届いていない部活動の場合いじめの温床になりやすい
生徒と教師等との好ましい人間関係の構築とあるが、なぜ教科内でできない?やろうとしない?
学習意欲の向上や自己肯定感、 責任感、連帯感など、生徒の多様な学びの場として、教育的意義が大きい。
とあるが多様な学びの場であるのには異論はないが、では、へき地などの場合はどうなるのだろう。少子化が進み、地方では過疎化が進む中、部活動が一つしかないなどの地域もある、教育活動の一環として多様な学びの場を提供するという意味だと、これは地域格差になるだろう。しかも、そういった地域の現状に対しては何ら手は打たないでいる(打てなくて当然だ、部活動の位置づけがそういうものだから)
しかしながら、今日においては、社会・経済の変化等により、教育等に関わる課題 が複雑化・多様化し、学校や教師だけでは解決することができない課題が増えている。
とあるが、論点がずれている。部活動は課題解決の場になっている目的では運営されていない。部活動の目的は基本的に、大会への出場である。出場し勝つために連帯して取り組む大切さを学べるのである。大会への出場などが無い場合、クラブ活動は運動の機会でしかない。だとすると「そのクラブ」である必要はない。
「同好だから」が成り立つのであれば、クリケットやスカッシュなど日本ではマイナーな種目に関して部活動を作ってくれるのだろうか?イヤ、それはない
将来においても、全国の生徒が生涯にわたって豊かなスポーツライフを実現する資質・能力を育む基盤として、運動部活動を持続可能なものとするためには、各自のニーズに応じた運動・スポーツを行うことができるよう、速やかに、運動部活動の在り方に関し、抜本的な改革に取り組む必要がある。
これらの文章でわかるのが、「勝手な肯定」です
あたかも、部活動が必要であるという前提の元になっている。持続可能や改革という言葉を使用しているのがそこだ
そもそも持続というより存在自体を疑問視する点には着目していない
もちろん、在り方に関するガイドラインだから在ることが前提なのは当たり前ですが・・・
適切な運営のための体制整備
これは具体的な内容に触れると
「合理的でかつ効率的・効果的な活動の推進のための取組」にも関係してくるのでまとめて説明します
運動部顧問は、年間の活動計画(活動日、休養日及び参加予定大会日程等)並びに 毎月の活動計画及び活動実績(活動日時・場所、休養日及び大会参加日等)を作成し、 校長に提出する
とあるが誰のためにか?
それは下に書いてある
校長は、毎月の活動計画及び活動実績の確認等により、各運動部の活動内容を把握し、生徒が安全にスポーツ活動を行い、教師の負担が過度とならないよう、適宜、指導・是正を行うと
生徒のためであり、教師のためだ
生徒が安全にというところは最もです。ですが、教師の負担が過度にならないようにとあるのが、それは取り組む人それぞれではないだろうか?
体力に自信のある人、無い人、専門分野の人、そうでない人、人それぞれですが、それを校長が見極められるのでしょうか?
無理です
運動部顧問は、スポーツ医・科学の見地からは、トレーニング効果を得るために休養を適切に取ることが必要であること、また、過度の練習がスポーツ障害・外傷のリスクを高め、必ずしも体力・運動能力の向上につながらないこと等を正しく理解する
とあるが、運動部に所属する教員全員がスポーツ医学を知っているのか?
各部活動の中央機関が主催する講習会などもあるが、寝ている教師は山ほどいる
資格や免許があるわけではなく、ネットでのテストがあって何度もやり直し合格すれば大丈夫というようなものもある
簡単に言うと、教師がスポーツ医学を知るためにはそれなりの勉強と何らかの確認方法が必要だという事だ
しっかりしていればもっと防げる事故はあったはず
日本スポーツ振興センター(JSC)の学校事故データを産業技術総合研究所(産総研)が分析した結果によると
部活動の死亡事故は16年度までの10年間に152件。交通事故が多いが、交通事故以外で亡くなった原因で最も多いのは頭のけがである(25件)柔道、ラグビー、野球の順番だ。
スポーツに事故はつきものだが、仲間が亡くなった悲しみと勝利、天秤にかけると傾くのはどっちなのだろう・・・
生徒とコミュニケーションを十分に図り、生徒がバーンアウトすることなく、技能や記録の向上等それぞれの目標を達成できるよう、競技種目の特性等を踏まえた科学的トレーニングの積極的な導入等により、休養を適切に取りつつ、短時間で 効果が得られる指導を行う。
これにももちろん異論はないが、実現可能かどうかが問題なのである
あたかも、できて、科学トレーニングの勉強に取り組んでいるのが当たり前のように書いているこのガイドライン
だれが、教えてくれるのか?部活動はほぼ毎日行われる、そんな中で、指導をしながら練習を教え、自らもさらに学び続けるという事が誰ができているのか?
部活動の取り組んでいるスポーツの研究ならば各顧問日々取り組んでいる
バスケットならバスケの映像を見たり、監督の本を読んだり、練習の動画を見たりと色々だ
それを科学的トレーニングというのだろうか?
マラソン選手は42km走りますが、それはどうなのですか?
また、専門的知見を有する保健体育担当の教師や養護教諭等と連携・協力し、発達の個人差や女子の成長期における体と心の状態等に関する正しい知識を得た上で指導を行う。
とあるが、部活数が多い学校の場合そこまで「専門的知見を有する保健体育担当」が回らなくなるし、どこまでの専門性を有しているのかもわからない
なぜなら、部活動の指導目的で受かってきたような教師がいるからだ
生徒指導主事という立場で授業はほとんどせず、担任も持たず、部活動と校外関係をやっている教師がいる
競技レベルに応じた1日2時間程度の練習メニュー例と週間、月間、年間での活動スケジュールや、効果的な練習方法、指導上の 留意点、安全面の注意事項等から構成、運動部顧問や生徒の活用の利便性に留意した分かりやすいものを作成する
1日2時間で成果を出す高校も聞いたことがある。しかも、週2or3回の練習でだ
でも、一般的にみんなそうできないからニュースや記事になっているのであって、それが当たり前なら記事にもしない。という事はその学校の取り組みや実績が異例、特殊なのであって、一般的ではない
どういった基準での2時間なのだろう?グランドに出てからきっちり2時間?放課後開始から2時間?これも学校によってバラバラだし、中には、地域の活動と称して部活動を行う抜け道も存在する
校長がどうとらえるかで、部活動時間はいくらでも変化するのが現状である
適切な休養日などの設定
先ほども書いたが、平日は2時間です
追加で書くと、平日は1日どこかで休養日を設けること
休日も1日休養日を設けること
休日の活動は3時間までとすること
などがある
まとめると、週2日は休んで平日は2時間、土日のどちらかは3時間までできる
ということ(抜け道はありますが・・・)
確かに、ウェイトトレーニングと違い一般的なスポーツはやればやるほどいい場合もあるのだろう
毎日ボールに触ることで手になじむのも早くなるだろうしパスも上手くなるだろう
数をこなす必要性があるのが一般的なスポーツだ
だが、ウェイトトレーニングは毎日やると逆効果だ、いわゆるオーバーワークになってしまう
それは筋肉の仕組み上の問題だ
筋肉は超回復によって以前よりより強靭になる。スポーツにそれが当てはまるのか?
それは無い。例えば、開脚ストレッチを毎日するのと、週2,3回しかしないのとでは毎日する方が絶対に良い。開脚ストレッチは筋肉に強大な負荷を与えているわけではないのが理由だ
生徒のニーズを踏まえた運動部の設置
具体的な例としては、より多くの生徒の運動機会の創出が図られるよう、季節ごとに異なるスポーツを行う活動、競技志向でなくレクリエーション志向で行う活動、体力つくりを目的とした活動等、生徒が楽しく体を動かす習慣の形成に向けた動機付けとなるものが考えられる。
そうなると”なんでもクラブ”ですね
本来理想的なのかもしれないですが、日本の現状から考えると難しいでしょう
なぜか?
それは、基本的に
部活動における専門の競技の先に、進学があるからです
これは日本の学校教育のダメなところだと思いますが、推薦入試という形で、本来学力に応じていない高校であっても、特定のスポーツで成績優秀ならば入れてしまう制度があるからだ
と言っても、推薦入試がダメと言っているわけではない
本来100点満点取らなければならない高校入試で、90点しか取れなかった、でも、スポーツ優秀だし、テストもこれだけ頑張れているのなら合格させてあげましょうならばいいでしょう
ですが、実際は、運動はできるが、タバコ、暴行、授業離脱、素行不良な生徒が、強豪高校へ進学する例は腐るほどあります
そうなってくると、部活動って何?運動できれば好きなことやってていいの?になります
前文にもありましたが、生徒と教師等との好ましい人間関係の構築、学習意欲の向上や自己肯定感、 責任感、連帯感など、生徒の多様な学びの場として?
悪い意味で教育的意義が大きいですよね
地域との連携
地域で育つ子供たちですから、地域との連携は欠かせないでしょう
内容にはこうあります
学校と地域・保護者が共に子供の健全な成長のための教育、スポーツ環境の充実を支援するパートナーという考え方の下で、こうした取組を推進することについて、保護者の理解と協力を促す
ここが難しいのです
保護者が子供を部活動に入れる理由は様々です
ましてや、伝統校・常連校などの場合は、目的は大会出場がほとんどになります
そういった保護者に週完全に2日休みです、練習時間は平日2時間です、筋トレもその時間内にしましょうとなると、保護者も、生徒も、大会を狙っている教師も「まだまだもっと」となります
片や、律義にガイドラインを守る学校もあります
そうなると
守っている学校と、保護者の理解があるからとガイドラインを無視した学校とでは、教育的な観点から見て良いのでしょうか?
ガイドラインはあくまでもガイドライン、法的な罰則もペナルティもありません
学校単位で参加する大会等の見直し
一度始まった大会を無しにするなんて、大きな災害関係でもない限り無くならないでしょう
保護者も「なぜ参加しない、無くなったの、機会をなぜ減らすの、前は○○だったのに」というしわ寄せを末端の顧問の教師にします
そして、主催者側も、見直すとは言うが見直せません。
その裏には直接的なのではありませんが、間接的に利害関係が含まれています
進学の便宜を図る、選抜選手に入れてもらうための便宜を図るなどです
高校への入試なども、実際の数字と、色々特典を付けた数字とが並行して動きます
そうやって、生徒の合格不合格は決まります
本当に暗黙の了解というやつですね
毎年参加していた大会に参加しなくなることで、表面上ではない潜在的な不利益は生じます
まとめ
ガイドラインの終わりにも合わせてまとめとします
ガイドライン生徒の視点に立ったとあり、プレイヤーズファーストが言われている昨今の流れでしょう
ですが、そういった建前はわかっていても、実際生徒を動かすのは保護者の場合も多いです
また、保護者と教師とが同じ視点で、子供だけが違う視点という可能性もありますが、このガイドラインは大人に向けて作られたもので、子供が読むものではありません
という事は、大人のフィルターを通して子供たちに伝えられていくものになります
この大人のフィルターは各クラブの指導者それぞれが持っていて、学校のフィルターももちろんあります
そういったときに
あなたが、学校のフィルターと合わないフィルターを持っていた場合、悲劇が起こります
厳しい冷遇環境になってしまいます
部活動は、現在の公立学校においては、その教師の価値を高めるものです
これは錯覚なのですが
部活動をきちんと指導できる=価値が高いという感覚があります
ブログの有名人「ふろむだ」さんの言葉を借りると「錯覚資産」です
もう一度言いますが、公立学校の先生は教科で雇われた先生です
教科が命です、部活動と教科指導は、少しの関りはあっても、その人の教科指導の価値を高めるものにはなりません
そこに気づいてない教師はとても多いです
そして保護者も、「この先生は、この前も大会で優勝していたし“すごい先生”なんだ」と思う事で全部の評価が上がります
それが、悲劇のはじまりです、本人も知らないうちに勘違いしてしまっています
で、最終的にクラブにだけ意義を感じることで教科を軽んじ、本来の就業目的を見失います
だから部活動は不要なのです
今回は以上です
最後に
私も少しでも学生の勉強の足しになればと
授業の記事・動画をまとめていますので参考にしてください
▶【てぃーちゃーMの社会科】授業ブログ「やさしい社会科授業」
→http://teacherceo-masajirusi.com/
▶【中学社会科動画】youtube
→https://www.youtube.com/playlist?list=PLWuTo1d_8MwwdbfWkLWaPLUibd6h0I0E0
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