【発達理論どれが誰?】教員採用試験対策12 教育心理

教員採用試験対策

こんにちは

今年2023年の令和6年度採用の教員採用試験を受けるヤマシロです

今回は

【発達理論】

ということで

人物各理論を紹介します

私自身、歴史上の人物なんかも

顔と名前がないと覚えにくいので

こうやって改めています

参考になれば幸いです

発達理論と人物

そもそも発達理論とは

19世紀末ごろから児童の権利とともに発達していった分野

(ちなみに「児童の権利に関する宣言」の国連採択は1959年。「子どもの権利条約」の採択は1989年、発効は1990年)

ヒトの児童期発達を行動の質的差異によって特徴づけられる段階に分割できるという理論

Wikipediaより

簡単に言うと

何歳頃はこんな行動と思考を持ち

何歳ぐらいになるとこんな行動や考えを持ち

何歳は・・・

年齢やこんな時期にはこんなこと学びますよといった

人間の加齢ごとの特徴・変化を研究する分野です

様々な発達理論がありますが

一般的な発達心理学において共通する考えは

  • 発達には個人差がある
  • 発達は複数の領域にわたって順を追いながらも同時に起こる

ということ

1人1人発達の早い遅いがあるということ

7歳だから7歳らしい行動と考えを持つわけではなく様々な年齢の考えを持つことも行動することもあるということ

それでは見ていきましょう

ヴィゴツキー【発達の最近接領域】(レフ・ヴィゴツキー)

ソヴィエト連邦の心理学者

知的発達水準の提唱

子どもの問題解決能力は

子どもが自力で解決できる「知的発達水準」と

周囲の大人からの援助、仲間との共同作業で達成できる「知的発達水準」がある

知的発達水準を高めるためには子どもの周辺環境を整えることと提唱

また、2つの知的発達水準の差を「発達の最近接領域」とした

ピアジェの「児童の言語と思考」のロシア語版を編集

自身「思考と言語」を出版

コールバーグ【道徳性発達理論】(ローレンス・コールバーグ)

道徳性発達理論を提唱

「ハインツのジレンマ課題」というどちらを選んでも何かしらの不満が残る2つのうち一つを選ばせる実験があります

  1. 妻が病気にかかっている
  2. 薬代は高額
  3. 薬代の半額しか払えない
  4. 半額だと薬を売ってくれない
  5. 薬を盗んだ

薬を盗んだ人の行為は正しいか?

といった問いかけです

薬を盗むのは犯罪です

でも、妻を見殺しにもできない

どうしよう・・・

この問題を3年ごと20年間にわたり数十人の少年で研究しました

その結果

発達過程を3水準

前慣習的水準

慣習的水準

脱慣習的水準

に分類し

さらに道徳性が備わっていく過程を

前慣習的水準

罪と服従の段階

報酬と取引の段階

慣習的水準

対人的同調の段階(良い子の段階)

法と秩序の段階

脱慣習的水準

社会契約と個人の権利段階

普遍的倫理原理の段階

の6段階で示す

という形で道徳性発達理論を提唱した

道徳性発達理論の詳細

①前慣習的水準

道徳的推論の第1段階で、人生の最初の9年間を通じて発展すると言われている。

この段階の子供には道徳性の判断基準がない

規則を固定的で絶対的であるものとみなす傾向があり

ある行為に対するラベルに敏感であるが、このラベルは判断を下す人の権力によって解釈される

②慣習的水準

道徳的推論の第2段階で、思春期から青年期の入り口まで続く

家族や内集団の価値基準に重きを置く

行為の結果がどうであれ、集団の価値基準の期待に応えようとする傾向がある

更に、期待に答えようとするだけではなく、その価値基準を支持する

つまり、行為の結果以上に集団の意図を重視する特徴がある

⓷脱慣習的水準

個人の内部に、善悪の判断基準が形成される段階

所属している集団や他者の判断基準とは別に自らの判断基準を持つ

コールバーグはこのレベルに到達する割合は10~15%であると示唆している。

この水準に6段階を加えて

3水準6段階

1、前慣習的水準:罪と服従の段階

行為の良い悪いは懲罰があるかどうかの判断基準

ハインツのジレンマ課題の回答

賛成:薬を盗らないと妻が死ぬ、妻が死ぬと皆に責められるから盗る

反対:薬を盗めば警察に捕まるから盗らない

2、前慣習的水準:報酬と取引の段階

行為の良い悪いは、結果どのような報酬がもたらさられるかの判断基準

賛成:捕まっても罪は軽いからすぐに出訴して妻に会えるから盗る

反対:妻が死んでも自分のせいではないから盗らない

3、慣習的水準:対人的同調の段階

他者を喜ばせ「よい子」と思われるようにする判断基準

賛成:命を助けるから薬を盗むことは悪いことではないから盗る

反対:犯罪は家族(集団)に不名誉で不利益だから盗らない

4、慣習的水準:法と秩序の段階

権威の尊重、法や規則から善悪を判断して、自己の義務を果たそうとする判断基準

賛成:妻を死なせてしまったという罪の意識を持ち続けるから盗る

反対:罪を犯したという意識が働くから盗らない

5、脱慣習的水準:社会契約と個人の権利段階

方や秩序も大切だが、個人の権利や社会的公平さもとても大切とする判断基準

賛成:妻を死なせると自尊心が傷つき、他者からの信頼や尊敬を失うから薬を盗る

反対:盗みは社会的地位や尊厳を失うから盗らない

6、脱慣習的水準:普遍的倫理原理の段階

人間としての尊厳の尊重に価値を置き普遍的な良心に基づく判断基準

賛成:妻を死なせると、良心より規範を優先した自分を責めるから盗る

反対:他者からは責められないが、犯罪を犯すことで良心の呵責が起こるから盗らない

コールバーグは、子どもは他者との関わりを通じて尊厳や共感、藍に気付く

そういったことで道徳の段階を発達させるとしています

ピアジェ【発達段階説】(ジャン・ピアジェ)

発達とは「同化」と「調整」によってシェマ(認知的枠組み)が均衡化していく過程とした

ピアジェの発達段階説の例

羽がある動物が鳥と言うシェマを持っている状態として

子どもが鳩を見て鳥と教えられる

鳥は空を飛ぶ生き物だというシェマを得る

これが「同化」

次に、ペンギンを見て鳥だと教えられる

空を飛ばない鳥に対し矛盾が起きる

だが、空を飛ばない鳥も存在するというシェマの調整が入る

これが「調整」

次にダチョウを見てダチョウも鳥だと教えられる

ペンギンのように飛ばない鳥もいることを知っているので「同化」がスムーズになる

これが「均衡化」

すすむとヤンバルクイナが鳥だと説明されると「こんな飛ばない鳥もいるのか」とスムーズに知識の取入れができるようになります

難しく書くと

同化・・・外部からの情報をシェマに取り入れること

調整・・・外部の情報を既存のシェマに変化させること

均衡化・・・同化と調整を繰り返すことで安定した均衡状態へと移行する

これが【認知的発達

ピアジェはこの認知的発達には段階があり4つに分類されるとした

  • 感覚運動期
  • 前操作期
  • 具体的操作期
  • 形式的操作期

【認知的発達の段階】

感覚運動期

0~2歳は、ガラガラのようなおもちゃに関心を持ち繰り返し遊ぶことができる

これは

感覚に支配される行動から、自分の周囲環境に興味を持ち、環境に適応した行動ができるようになる段階

この時期に、「循環反応(繰り返し)」「対象物の永続性」などの認知機能を獲得する

前操作期

2~7,8歳は、積み木やごっこ遊び(ままごと)などをして遊べるようになる

これは

言語活動が始まるとともに、シンボル機能も活発になり、象徴遊びやごっこ遊びがさかんになる

思考は自己中心的

この時期の前半は象徴的思考段階

この時期の後半は直観的思考段階

具体的操作期

7~11,12歳は、水の量は容器の大きさが違っても変わらないことを理解できる

これは

思考が脱中心化され、保存の概念が獲得される

また、具体的な物事に対して論理的思考ができるようになる段階

形式的操作期

11歳以上は、XやYなどの代数の計算ができる

これは

抽象的な物事に対しても論理的な思考ができたり

言葉や記号などを使った抽象的な推理ができたり

仮説演繹ができる

演繹は事実A+事実B=結論は事実だろう

仮説演繹は事実+仮説=結果は事実かな?実験や観察して確かめよう

というもの

エリクソン【ライフサイクル論】(エリク・H・エリクソン)

アメリカの発達心理学者で「アイデンティティ」の概念を提唱

人間の人生周期(ライフサイクル)を

  • 乳児期
  • 幼児前期
  • 幼児後期
  • 児童期
  • 青年期
  • 成人前期
  • 成人後期
  • 老年期

の8つに分け、それぞれの段階で達成すべき「発達課題」と

この発達課題が「心理社会的危機」で

心理社会的危機を乗り越えることで発達課題を身につけることができるとした

【各発達課題とその段階の望ましい結果】

乳児期

赤ちゃんは適切な世話を受けることで

赤ちゃんと深くかかわる人と信頼感を構築することで希望を獲得する

適切な世話がされなかった赤ちゃんは不安や不信感を持ち

希望が獲得されない

心理社会的危機:基本的信頼⇔不信

望ましい結果:希望

幼児前期

イヤイヤ期における自我の芽生え

自分ですることへの挑戦欲を満たす事での自信を獲得する

挑戦する機会を奪ったり、失敗への非難することで自分を信じてくれないと疑惑が生まれる

心理社会的危機:自律性⇔恥・疑惑

望ましい結果:自律性、意思

幼児後期

なぜなぜ期とごっこ遊びなどから目的意識を獲得する

自発的、自主的活動への批判や過度なしつけ、厳しさは罪悪感を生む

心理社会的危機:自主性・積極性⇔罪悪感

望ましい結果:目的意識、自発性、積極性

児童期

小学校での活動に取り組むことでの達成感や有能感の獲得

出来なかったことを咎めるだけだと劣等感を生む

ほめ過ぎによる慢心もダメ、咎めすぎるのもダメ、適切なフォローが必要

心理社会的危機:勤勉性⇔劣等感

望ましい結果:有能感、達成能力

青年期

「自分は何者か?」と自分自身思い悩む時期(思春期)に

「自分は○○だ」とアイデンティティを確立できれば、自分の価値観を信じ、それに対し貢献しようとする忠誠心が獲得できる

「自分は何者なのか?」と悩み続けてモラトリアム(大人への一歩が踏み出せない状態)から抜け出せない

心理社会的危機:自我同一性(アイデンティティ)⇔同一性の拡散

望ましい結果:忠誠心、アイデンティティの確立

成人前期

20~39歳

「愛することができるのか?」「信じることができるのか?」

パートナーや友達との関りで得られる親密さから愛情や友情が生まれる

受け入れてもらえない、自分を否定されることで孤独感が生まれる

心理社会的危機:親密⇔孤立

望ましい結果:愛、友情、性的親密

成人後期

次世代を生み、育て、次世代の将来性のために積極的に働きかけることが世話

自分の経験のみに固執し、自分の価値観を押し付けることで次世代の成長を妨げる

心理社会的危機:生殖性⇔停滞、自己吸収

望ましい結果:次世代を育み、世話をすることができる

老年期

「良い人生だったか?」の問いに対し

自己の人生を自己の責任として受け入れられると、自分の知恵を次世代に受け継ぎ、より良い老後を過ごせるが

老い、老後への不安などが上回ると絶望感が生まれる

心理社会的危機:自己統合⇔絶望

望ましい結果:賢さ、英知、自分の人生の責任を受け入れる

ハヴィガースト【6つの発達段階】(ロバート・J・ハヴィガースト)

アメリカの教育学者

人間の発達課題と教育」を出版

発達課題とは、人生のそれぞれの時期に生ずる課題で、それを達成すればその人は幸福になり、次の発達段階の課題の達成も容易になるが、失敗した場合はその人は不幸になり社会から承認されず、次の発達課題の達成が困難になる」とした

ハヴィガーストの6つの発達段階

乳幼児期 1~6歳 

食べる、話す、排泄するなどの学習、歩く、性差の区別、善悪の区別、良心の学習 など

児童期 6~12歳

遊びの技能、自分への健全な態度、男女の社会的役割、同じ年頃の仲間とうまく付き合う学習、社会集団や社会制度に対する態度の発達、読み書き計算の基本的技能の学習 など

青年期 12~18歳           

男性または女性としての社会的役割の獲得、両親や他の大人からの情緒的自立、身体的変化を受け入れて身体を有効に使うこと、結婚や家庭生活への準備、就業への準備、価値観や倫理観の体系化、社会的責任への行動、社会思想(イデオロギー)の発達 など

壮年期(早期成人期)  20代~30代前半

就職、配偶者の選択、結婚、子どもの養育、家庭、適切な社会集団の発見 など

中年期 30代後半~60歳

大人としての市民的・社会的責任を達成すること、一定の経済力を確保し、維持すること、配偶者と信頼関係で結びつくこと、生理的変化を受け入れ、適応すること、老年の親の世話と順応 など

老年期 60代以降            

肉体的な強さと健康の衰退への適応、引退と収入の減少への適応、同年代の人と明るい親密な関係を結ぶこと、やがて訪れる死への準備と受容、社会的な役割の獲得、満足のいく住居の獲得 など

まとめ

ヴィゴツキー【発達の最近接領域】(知的発達水準)

コールバーグ【道徳性発達理論】(3水準6段階、ハインツのジレンマ)

ピアジェ【発達段階説】(同化、調整、シェマ、均衡化、認知的発達の段階(4段階))

エリクソン【ライフサイクル論】(アイデンティティ、8つのライフサイクル)

ハヴィガースト【6つの発達段階】

この5名です

けっこう大切な内容なので定期的に確認するようにしておこう

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